「CBD 製品には THC が含まれたものがあるけど違法じゃないの?THC に基準があるなら教えてほしい。」
この記事ではこういった要望に応えます。
矢作
それじゃあ、THC の基準について説明していくよー!
- THC 含有の CBD 製品が合法な理由
- 日本の THC の基準
- 世界各国の THC の基準
THC が 0.3% 未満でも日本では違法
THC は日本で麻薬という定義がなされているので、「CBD は大麻取締法で捕まるのか?日本独自の複雑な法律について」でも触れた通り、THC が検出されたら麻薬及び向精神薬取締法違反で捕まってしまいます。
とはいっても、フルスペクトラム製品やブロードスペクトラム製品には THC が含まれている CBD 製品があって日本でも流通していますよね?
THC が 0.3% 未満でも日本では違法なのに、THC が含まれた CBD 製品が流通しているという矛盾が発生しています。
これらの製品はどうして違法にはならないのでしょうか?
THC が非検出レベルなら問題ない
THC が含まれた CBD 製品が違法とならないのは、THC が非検出レベルだからなんです。
CBD は日本で違法なの?合法なの?やCBD に規制はないのか?気を付けるべき7つの法律でも説明した通り、CBD 製品を輸入するには法律に基づいた書類を提出しなければなりません。
その上で成分を調べても THC が検出されないのですから、税関を通して正規輸入することが可能なのです。
THC の有無が証明できないから合法
例えば 0.000000000000001% の THC が検出されたから麻薬及び向精神薬取締法違反というのは考えにくいです。
なぜなら日本では麻の実を使用した七味唐辛子が売られていたり、洋服や寝具など麻製品が多く流通しているから。
これらが取り締まりの対象となれば、神聖な神社のしめ縄も大相撲の横綱のまわしも違法となってしまいます。
コカインの原料であるコカの葉を使用したコカレロというお酒も違法成分が検出されないので合法です。
このように THC が検出されなければ違法性を証明できないので、日本では「合法」ということになります。
では、海外ではどのような基準が採用されているのでしょうか?
EU(欧州連合)は THC が 0.2% 未満なら合法
Cannabis sativa L(産業用ヘンプ)は農業植物種の共通カタログ(Common catalog of varieties of agricultural plant species)に登録されていて、THC の含有量が 0.2% を超えない限り合法とされています。
EU の CBD 製品を確認してみると LESS THAN 0.2% THC というような表記が見られ、各メーカーは法令を遵守した上で産業用ヘンプ製品を製造しているのです。
詳しくは「CBD 製品における THC 0.2% 表記の意味」で説明しているのでご覧ください。
続いてアメリカの基準値を見てみましょう。
アメリカは THC が 0.3% 以下なら合法
アメリカではトランプ大統領が「2018年農業法案(Farm Bill 2018)」にサインをし、THC が 0.3% 以下の産業用ヘンプが規制植物指定から除外されました。
この署名によりアメリカ連邦法では産業用ヘンプがほかの農作物と同じ扱いとなり、麻薬指定された植物ではないと正式に認められたことになります。
さらに世界各国の産業用ヘンプの THC 合法基準を見てみましょう。
世界各国の産業用ヘンプの THC 合法基準
カナダでは 0.3% 未満、ニュージーランドでは 0.35% 未満、ロシアでは 0.1% 以下、スイスでは 1% 未満と各国でばらつきがあります。
オーストラリアでは地域によって基準値が異なり、クイーンズランド州がもっとも高い 0.5% 未満。次いでタスマニア州、ウエスタンオーストラリア州、ビクトリア州が 0.35% 未満。そしてニューサウスウェールズ州と南オーストラリア州が 1% 未満です。
アジア圏ではタイが 1% 未満、中国では 0.1% 未満になっています。
日本では THC が 0.3% 未満なら合法の真相
ヘンプ製品から THC が検出されたら違法で、検出されなければ合法ということになります。
身近な例でいえば飲酒運転がそうでしょう。
呼気1リットル中のアルコール量が 0.15mg 未満である場合は酒気帯び運転ではありますが違反とはなりませんよね?
それと同じようにヘンプ製品に THC が入っていたとしても検出されないレベルなら問題はないのです。
矢作