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カンナビノイド受容体について

受容体について知りたい人
受容体について知りたい人

「CBD ってカンナビノイド受容体に作用するっていうけど、そもそもカンナビノイド受容体って何なの?わかりやすく教えてほしい。」

この記事ではこういった疑問に答えます。

矢作

カンナビノイド受容体は植物性カンナビノイドや内因性カンナビノイドが結び付く受容体のことです♪

それじゃあ、カンナビノイド受容体についてわかりやすく説明していくよー!

この記事でわかること

  • 主要なカンナビノイド受容体
  • カンナビノイド受容体の分布
  • カンナビノイド受容体の働き

カンナビノイド受容体とは?

まず、カンナビノイドというのは一般的には麻に含まれる成分のことをいいます。

そして受容体というのは生物の体にあって、外界や体内からの何らかの刺激を受け取り、情報(感覚)として利用できるように変換する仕組みを持った構造のこと。

つまり、カンナビノイドを体内で活用するための構造ということになります。

この仕組みのことをエンド・カンナビノイド・システムと呼び、免疫および食欲や睡眠などの健康な身体調節を確立しているのです。

カンナビノイド受容体はひとつではなく、体内にいくつか存在していることがわかっています。

主要なカンナビノイド受容体

主なカンナビノイド受容体は4つあります。

  1. CB1 受容体
  2. CB2 受容体
  3. GPR55 受容体
  4. TRP チャネル

では、これらのカンナビノイド受容体は体内のどのあたりに分布しているのでしょうか?

カンナビノイド受容体の分布

カンナビノイド受容体の分布

カンナビノイド受容体について調べたことがある人なら、この画像のように CB1 や CB2 の分布図を見たことがあると思います。

最近の研究では脳の次にカンナビノイド受容体が密集しているのが、女性の生殖器官であることもわかってきているのです。

また、GPR55 受容体が発現する場所なども徐々に特定されていっています。

それでは CB1 受容体から見ていきましょう。

CB1 受容体

CB1 受容体というのは「カンナビノイド受容体タイプ1」の略です。

脳、精巣、輸精管、子宮、肺、小腸、血管平滑筋細胞、血管内皮細胞など、さまざまな臓器や細胞に存在し、記憶・認知、運動制御、食欲調節、報酬系の制御、鎮痛、脂肪代謝などの生理作用を担っています。

CB2 受容体

CB2 受容体というのは「カンナビノイド受容体タイプ2」の略です。

脾臓、扁桃腺、リンパ節に多く、自然免疫を担う各免疫細胞上にも発現し、免疫機能や炎症の制御に関与しています。

GPR55 受容体

GPR55 は第三のカンナビノイド受容体といわれています。

CB1 と CB2 受容体だけでは説明できないことが指摘あれ、同一の受容体であると決定づけられました。

脳以外では脾臓、胸腺、精巣、小腸にも多く発現しています。

まだまだ不明な点が多い受容体だけど、最近の研究では神経組織だけじゃなくて免疫組織や消化管でも、何らかの重要な役割を演じていることが示唆されているのです。

TRP チャネル

TRP(Transient Receptor Potential)チャネルは細胞膜に存在するイオンチャネル型受容体のひとつです。

ヒトでは6つのサブファミリー、27チャネルで構成される膨大なチャネル群になります。

生体内で温度感覚、痛覚、味覚などさまざまな感覚受容にかかわり、細胞内外の環境変化に対してセンサーのような機能をもっているのです。

続いてカンナビノイドと受容体の働きについて詳しく見ていきましょう。

カンナビノイドと受容体の働き

カンナビノイドと受容体の働き

ここでは植物性カンナビノイドと内因性カンナビノイドについて説明します。

では、まず植物性カンナビノイドからです。

植物性カンナビノイド

植物性カンナビノイドにはこのようなものがあります。

Δ9-THC、Δ8-THC、CBN、Δ9-THCV、CBC、CBD、CBDV、CBDA、CBG、CBGA、THCA、THCVA

また、テルペンである β カリオフィレンもカンナビノイド受容体と結合することから、疑似カンナビノイドと呼ばれています。

植物性
カンナビノイド
CB1 受容体
神経細胞系
CB2 受容体
免疫細胞系
GPR55 受容体 TRP チャネル
Δ9-THC ○●
Δ8-THC ○●
CBN ○●
Δ9-THCV ○ or ● ○●
CBC ○●
CBD ○●
CBDV ○●
CBDA ○●
CBG ○●
CBGA ○●
THCA ○●
THCVA ○●
β カリオフィレン

○:アクティブ(活性)/●:ブロック(不活性)

続いて内因性カンナビノイドを見ていきましょう。

内因性カンナビノイド

内因性カンナビノイドというのは、私たちの体内で生合成されているカンナビノイドのことです。

アナンダミド(AEA)、2-AG、NADA、ノラジンエーテル、ビローダミン、DHEA、EPEA、PEA、OEA、2-OG

上記の通り内因性カンナビノイドは10種類あります。

内因性
カンナビノイド
CB1 受容体
神経細胞系
CB2 受容体
免疫細胞系
GPR55 受容体 TRP チャネル
アナンダミド
2-AG
NADA
ノラジンエーテル
ビローダミン
DHEA
EPEA
PEA
OEA
2-OG

植物性カンナビノイドに合わせて PPAR α 受容体と PPAR γ 受容体については割愛しました。

2-OG は GPR119 受容体に作用します。

このようにカンナビノイドがカンナビノイド受容体を活性化させることで、さまざまな神経伝達調節をおこなってホメオスタシス(恒常性)という状態を作っているのです。

矢作

以上がカンナビノイド受容体についてでした♪